妊娠が成立する仕組み

妊娠が成立するまでには、「射精」「排卵」「受精」「受精卵の発育」「着床」「着床後の妊娠継続」の6つのプロセスがあります。

射精

1回の射精で放出される精子の数は1億匹以上です。腟内に射精された精子は、子宮頸管と子宮を通って卵管へと進み、排卵した卵子がやってくるのを待ちます。ここに到達するまでに、すでに多数の精子が脱落しています。射精後の精子の寿命は2〜3日間といわれています。

排卵

月経が開始すると卵巣の中では卵胞が発育して排卵に向けた準備を開始し、卵巣の中で卵胞が十分に発育すると、卵胞が破裂して卵子が卵巣から飛び出します。これを排卵と呼びます。排卵した卵子は卵管の中に取り込まれます。

受精

卵子と精子が合体することを受精といい、合体して出来上がったものを受精卵といいます。卵子と受精できる精子はたったの1匹のみで、1匹の精子が卵子に進入すると、他の精子は入れなくなります。

受精卵の発育

受精した卵子(受精卵)は、卵管から子宮へ移動していきます。卵管の中を移動しながら細胞分裂(2分割、4分割、8分割・・・)を繰り返し、4~6日かけて子宮に到達します。

着床

月経が終了すると子宮の内膜は増殖し始め、子宮内膜が十分厚くなると受精卵が着床できるように、ふわふわのベッドのように変化します。子宮内に到着した受精卵(胚)が子宮内膜にもぐりこむことを着床と呼び、排卵してから7日目頃から着床が始まり、12日目頃に着床が完了して妊娠が成立します。

着床後の妊娠継続

胚が着床後も順調に成長すれば、排卵から2週間前後で妊娠の反応が出ます。排卵日を2週0日として、排卵から出産までは約266日、子宮の中で赤ちゃんが育ち分娩に至ります。妊娠しなかったときは、厚くなった子宮内膜は必要なくなり、子宮から剥がれ落ちます。これが月経(生理)です。

このようなステップが、すべてうまくいってはじめて、妊娠することができます。どこかに問題があったり、精子と卵子が出会うタイミングがずれていたりすると、妊娠には至りません。射精された精子が女性の体内で生存できるのは2〜3日程度で、排卵した卵子が受精できる能力があるのは1日程度と言われています。妊娠するには、この間に精子と卵子が出会うことが必要なのです。

産科とは

産科とは、妊娠・分娩(出産)・産褥期(産後)のお母さんと赤ちゃんの健康管理、および治療を専門的に行う診療科のことで、異常妊娠の管理、正常分娩・帝王切開、産後のケアまでを一貫してサポートし、母児の安全・健康を守る役割を担います。

当院では分娩管理は行っておりませんが、妊娠の診断、妊娠初期から妊娠後期に入るまでの妊婦健診と健康指導をメインで行っております。分娩に関しては、連携している分娩可能施設への紹介をしておりますので、ご希望の施設があれば申し出てください。
妊娠中は身体が著しく変化するだけでなく、不安や心配事なども増える時期でもあります。妊娠期間をできるだけ快適に過ごせるように、サポートさせていただきます。

妊婦健診

妊婦健診について

妊婦健診は、妊婦さんや赤ちゃんの健康状態を定期的に確認するために行うものです。妊婦さんや赤ちゃんの病気の有無を調べることだけが妊婦健診の目的ではありません。妊娠期間中を心身ともの健康で過ごし、無事に出産を迎えるためには、日常生活や生活環境、栄養状態など、さまざまなことに気を配る必要があります。妊娠・出産・育児に関する悩みや困り事があれば、医師や助産師などに相談をして、妊娠期間中を安心して過ごしていただくことがとても大切です。より健やかに過ごすために、妊婦健診を必ず受けていただきたいと思います。

妊婦健診の受診頻度

妊娠初期〜23週まで4週間に1回
妊娠24~妊娠35週2週間に1回
妊娠36週以降1週間に1回

妊娠経過が順調な場合、妊婦健診の回数は合計14回程度となります。
妊娠期間中に何らかの体調変化があった場合(出血、腹痛、胎動不良、その他)には、その都度診察を行います。気になる症状があったら、ご相談していただくか、ご受診をお願いします。

妊婦健診で行う検査

毎回行う検査
  • 問診と診察
  • 血圧測定
  • 尿検査
  • 体重測定
  • 浮腫検査
  • 腹囲測定、子宮底長測定
  • 超音波検査
  • 保健指導
週数に応じて行われる検査
妊娠初期~23週の間に行われる検査
  • 血液検査
    ABO血液型・Rh血液型・不規則抗体、貧血の有無、血糖値、B型肝炎ウイルス抗原、C型肝炎ウイルス抗体、HIV抗体、HTLV-1(ヒトT細胞白血病ウイルス1型)抗体、梅毒血清反応、風疹ウイルス抗体
  • 子宮頸がん検診(細胞診)
  • 性器クラミジア検査
妊娠24週頃に行われる検査
  • 血液検査(貧血の有無)
  • 50g糖負荷試験
妊娠30週頃に行われる検査
  • 血液検査(貧血の有無)
妊娠36週頃に行われる検査(連携施設で受けていただきます)
  • 血液検査(貧血の有無)
  • B群溶血性レンサ球菌検査